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ドッグフードの量は体重で決める。1日の給餌量の出し方

🩺 獣医師監修 公開 2026/06/23 更新 2026/06/23 出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」

ドッグフードの量は、愛犬の体重から1日の必要カロリーを出し、それをフードのカロリーで割って決めます。パッケージの表示はあくまで平均的な犬を想定した目安で、避妊去勢の有無や運動量、代謝の個体差によって本当に必要な量は変わります。だからこそ、体重を起点にした計算で「うちの子の量」を出すことが、太らせず痩せさせない一番確実な方法です。

毎日のごはんは、愛犬の体をつくり続ける土台です。少し手間をかけて量を見直すだけで、体型も健康も整っていきます。この記事では、計算式から具体的な出し方、避妊去勢や運動量での調整までを順番に解説します。

ドッグフードの適正量とは

ドッグフードの適正量とは、愛犬が理想体型を保つために1日に必要なカロリー分のフードの重さ(g)のことです。年齢や体格が同じでも、活動量や避妊去勢の有無、代謝の個体差で必要なカロリーは変わるため、適正量は犬ごとに異なります。

ここで前提になるのが「総合栄養食」という考え方です。総合栄養食とは、そのフードと水だけで、その犬のライフステージに必要な栄養がすべてそろうように設計されたフードのことです。総合栄養食を適正量与えていれば、基本の栄養は満たせます。パッケージに「総合栄養食」と書かれているかをまず確認してください。

なぜ体重から量を決めるのか

体重は、その犬がどれだけのエネルギーを必要とするかを最もよく表す指標だからです。体が大きいほど維持に使うエネルギーは増え、必要カロリーも増えます。だから「何グラムあげるか」を考える前に、まず「何キロカロリー必要か」を体重から出すのが筋道です。

ペットフーディスト養成講座が紹介する計算でも、出発点は体重です。体重から安静時の必要カロリーを出し、そこに生活スタイルに応じた係数をかけて1日分を決めます。感覚で「これくらい」と盛るのではなく、数字で根拠を持たせることが、過不足のない食事につながります。

1日の必要カロリー(DER)はどう計算するのか

1日の必要カロリーは、DER(1日あたりエネルギー要求量)として計算します。手順は2段階です。まず安静時の必要カロリー(RER)を出し、それに活動係数をかけてDERを求めます。

RER(安静時エネルギー要求量)とは、犬が安静にしているときに生命維持だけで使うカロリーのことです。簡易式では「RER = 体重(kg) × 30 + 70」で計算できます。たとえば体重5kgなら、5 × 30 + 70 = 220kcalがRERです。

次に、DER = RER × 活動係数で1日の必要カロリーを出します。係数の選び方は次のセクションで詳しく見ていきます。仮に避妊去勢済みの成犬(係数1.4)なら、220 × 1.4 = 308kcalが1日の目安になります。

活動係数はどう選ぶのか

活動係数は、避妊去勢の有無や活動量、ライフステージに合わせて選びます。同じ体重でも、選ぶ係数によって必要カロリーは大きく変わります。ペットフーディスト養成講座が示す成犬の主な目安は次の通りです。

  • 避妊去勢していない成犬:1.6
  • 避妊去勢済みの成犬:1.4
  • 太り気味・活動量が少ない犬:1.2

避妊去勢をすると必要カロリーが下がるため、手術後に同じ量を与え続けると太りやすくなります。子犬の成長期は係数がさらに高く、月齢によって2.0〜3.0前後と大きく変わります。高齢になり活動量が落ちてきた犬は係数を下げて調整します。シニア期の食事の考え方はシニア犬のフードの選び方も参考にしてください。

1日の給餌量(グラム)の出し方/計算手順

DER(必要カロリー)が出たら、フードのカロリーで割ってグラム数に変換します。次の手順で進めてください。

  1. 愛犬の体重を量る。理想体型から離れている場合は、獣医師に相談して理想体重を基準にする。
  2. RERを計算する。「体重(kg) × 30 + 70」で安静時の必要カロリーを出す。
  3. 活動係数を選んでDERを出す。「RER × 活動係数」で1日の必要カロリーを求める。
  4. フードのカロリー(代謝エネルギー)を確認する。パッケージの「100gあたり〇〇kcal」を読む。
  5. 給餌量を計算する。「給餌量(g) = DER ÷ 100gあたりのkcal × 100」で1日分のグラム数を出す。

例として、体重5kg・避妊去勢済み・フードが100gあたり360kcalの場合を計算します。RERは220kcal、DERは220 × 1.4 = 308kcal、給餌量は308 ÷ 360 × 100 ≒ 86gとなります。この86gを1日分として、給餌回数で割って与えます。

パッケージの給餌量表示はどう使うのか

パッケージの給餌量表示は、計算した量と見比べる「答え合わせ」に使います。メーカーは体重別の目安量を載せていますが、これは平均的な犬を想定した数字です。同じフードでも、避妊去勢の有無や運動量で実際の必要量はずれます。

使い方はシンプルです。体重から計算した量と、パッケージの表示量の両方を確認し、近い値であればそのまま採用します。大きく違うときは、活動係数の選び方や理想体重の設定を見直します。フードを切り替えるとカロリーが変わるため、グレインフリーなど別タイプに変える場合はグレインフリーフードの基礎知識も確認し、必ず新しいフードのカロリーで計算し直してください。

運動量や個体差はどう反映するのか

運動量や個体差は、活動係数の選び方と、その後の体型チェックで反映します。毎日よく走る犬と、室内でのんびり過ごす犬では消費カロリーが違うため、同じ体重でも適正量は変わります。

最終的な判断は体重計と体型(BCS)で行います。理想体型は、あばら骨に軽く触れることができ、上から見て腰にくびれがある状態です。PETOKOTOの獣医師監修記事でも、5段階のBCSで「3」を理想とし、その体重を基準にする考え方が紹介されています。計算した量で2週間ほど様子を見て、太ってきたら1〜2割減らし、痩せてきたら1〜2割増やす。この微調整で、その子だけの適正量に近づけていきます。

与えすぎ・与えなさすぎのサインは何か

与えすぎのサインは、あばらが触れにくくなる、腰のくびれがなくなる、体重が増え続けることです。与えなさすぎのサインは、あばらや背骨が目立つ、活気が落ちる、体重が減り続けることです。どちらも体型と体重の変化で気づけます。

おやつの与えすぎも量がずれる原因です。おやつは1日の必要カロリー(DER)の10%以内にとどめ、その分主食を減らすのが基本とされています。食欲が急に落ちた、急に痩せた・太ったといった変化は、フードの量だけでなく体の不調が一般的な原因として挙げられます。気になるときは自己判断で量を増減させず、獣医師に相談してください。環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」でも、年齢や健康状態で食事の種類や回数が変わるため、獣医師への相談がすすめられています。

この記事のまとめ

  • ドッグフードの量は、体重から出した1日の必要カロリー(DER)をフードのカロリーで割って決める。
  • RERは「体重(kg) × 30 + 70」、DERは「RER × 活動係数」で計算する。
  • 活動係数は避妊去勢なし1.6、避妊去勢済み1.4、太り気味・低活動1.2が目安。
  • 給餌量(g)は「DER ÷ 100gあたりのkcal × 100」で求め、パッケージ表示と見比べる。
  • 最後は体型(BCS)と体重の変化で微調整し、不安があれば獣医師に相談する。

よくある質問

ドッグフードの量はパッケージの表示通りでいいですか

パッケージの表示は平均的な犬を想定した目安です。避妊去勢の有無や運動量、代謝の個体差で必要量は変わるため、体重から計算した量を基準に、体型を見て微調整するのが確実です。

避妊去勢をするとフードの量は減らすべきですか

はい。避妊去勢で必要カロリーは下がります。未避妊去勢の成犬の活動係数は1.6前後、避妊去勢済みは1.4前後とされ、同じ体重でも約1〜2割少なくなります。

体重が増えてきたらフードの量はどう調整しますか

体型(BCS)を見て調整します。理想体型はあばらに軽く触れ、上から見て腰のくびれがある状態です。太ってきたら活動量の少ない犬の係数1.2を使い、まず1〜2割減らして体重の変化を2週間ごとに確認します。