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犬の涙やけはフードを変えても治らないことがある。原因の見分け方とケア

🩺 獣医師監修 公開 2026/06/22 更新 2026/06/22 出典:アニコム損保

犬の涙やけは、フードを変えれば必ず治るものではありません。原因は涙の通り道の異常・目の病気・アレルギーなど複数あり、食事が関係するのはそのうちの一部です。まず原因のタイプを見極めることが、遠回りに見えていちばんの近道になります。

この記事は、アニコム損保が公開する獣医師監修記事(監修:石川美衣獣医師/日本獣医皮膚科認定医)をもとに、涙やけの原因の見分け方と家庭でできるケアをまとめます。

犬の涙やけとは

涙やけとは、目からあふれた涙の成分によって、目の周りの毛が茶色く変色した状態のことです。涙が目の外にあふれ続ける状態そのものは「流涙症(りゅうるいしょう)」と呼ばれ、涙やけはその結果として起こります。つまり涙やけは原因そのものではなく「サイン」であり、根本にある流涙症の原因を見つけることが対処の出発点になります。

なぜ涙やけは起きるのか

涙やけの原因は、大きく3つのタイプに分けられます。

1. 涙の排泄路の異常(涙が出ていく道の問題) 涙嚢炎や鼻涙管の閉塞、涙点の閉鎖など、涙が鼻へ抜けていく通り道が詰まるタイプです。先天的に鼻涙管が狭い犬種で起こりやすくなります。

2. 涙の産生量が増えるタイプ 逆さまつげ(睫毛乱生)や眼瞼内反症、角膜の傷、アレルギーなどで目が刺激され、涙が過剰に出ます。食物アレルギーが関わるのは、主にこのタイプです。

3. 涙を目の表面に保つ力の低下 まぶたの縁にあるマイボーム腺の機能が、加齢やホルモンバランス、細菌感染で落ちると、涙が表面にとどまれずあふれます。

このように、涙やけの背景には目の構造や病気が隠れていることが多く、「食事だけ」が原因とは限りません。

どの犬種が涙やけになりやすいのか

鼻涙管が狭いトイ・プードルやマルチーズ、涙の排出がうまくいきにくいシー・ズーやパグなどの短頭種は、構造的に涙やけを起こしやすい犬種です。また柴犬やウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど、アレルギーを起こしやすい犬種も注意が必要です。愛犬がこれらに当てはまるなら、子犬のうちから涙の量とケアを意識しておくと安心です。犬種ごとの特徴は犬種別の飼い方ガイドも参考にしてください。

食事を変えると涙やけは改善するのか

食物アレルギーが原因の場合は、食事の変更によって涙やけが改善することがあります。穀物などにアレルギー反応を起こしている犬では、低アレルゲンフードやグレインフリーフードへの切り替えが選択肢になります。ただしこれは「食事が原因のケース」に限った話で、鼻涙管の閉塞や目の病気が原因なら、フードを変えても変化は出ません。やみくもにフードを替える前に、まず原因のタイプを見極めることが大切です。悩み別の選び方は犬の悩み別ドッグフード比較にまとめています。

家庭でできる涙やけのケアは

日常のケアは「こまめに、優しく拭く」が基本です。濡らしたコットンやガーゼで、目の周りの涙をやわらかく拭き取ります。強くゴシゴシこすると、かえって皮膚炎を起こすため避けてください。アレルギー素因のある犬は、子犬期からの食事管理も予防につながります。

どんなときに動物病院へ行くべきか

次のような症状があるときは、目の病気が隠れている可能性があるため、早めに動物病院を受診してください。

  • 黄色い膿のような目やにが出る
  • 目をしばしばさせる、細める
  • 白目が赤くなっている

これらは痛みを伴う眼疾患のサインのことがあります。治療が長引いたり入院・手術が必要になったときの費用に備えるなら、ペット保険の比較もあわせて検討しておくと安心です。

涙やけを放置するとどうなるのか

変色した毛そのものに健康上の害はありません。問題は、涙でぬれた状態が続くことです。湿った毛は雑菌が繁殖しやすく、目の周りの皮膚が赤くただれたり、においの原因になったりします。とくに毛が密集した目の下は乾きにくく、皮膚炎に進むこともあります。だからこそ「ぬれたままにせず、乾いた清潔な状態を保つ」日々のケアが、見た目以上に意味を持ちます。涙やけは美容の問題に見えて、実は皮膚の健康とつながっているのです。

涙やけのケアでやってはいけないこと

良かれと思った対処が、かえって悪化させることがあります。次の3つは避けてください。

  • ゴシゴシ強くこする(皮膚炎や色素沈着の悪化につながる)
  • 人間用の目薬を自己判断で使う(犬に合わない成分で刺激になる)
  • 原因を確かめずに、フードだけを次々と替える

市販の涙やけ対策グッズやサプリも、原因に合っていなければ変化は期待しにくいものです。涙やけは「原因を見極めてから対処する」のが結局いちばんの近道になります。症状が続くときは、自己判断を重ねるより、早めに獣医師へ相談するほうが確実です。

この記事のまとめ

  • 犬の涙やけは、フードを変えれば必ず治るものではない
  • 原因は「排泄路の異常」「涙の増加」「涙を保つ力の低下」の3タイプ
  • 食事が関係するのは食物アレルギーが原因のケースで、その場合は低アレルゲンフードで改善することがある
  • トイ・プードル、マルチーズ、短頭種、柴犬などはなりやすい
  • 膿性の目やに・目を細める・白目が赤いときは動物病院へ

※本記事はアニコム損保の獣医師監修記事を参考にした一般的な情報です。実際のケアや診断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

よくある質問

犬の涙やけはドッグフードを変えれば治りますか?

必ず治るわけではありません。涙やけの原因は涙の排泄路の異常や目の病気など複数あり、食事が関係するのは食物アレルギーが原因の一部のケースです。食物アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談しながら低アレルゲンフードへの切り替えを検討します。

涙やけになりやすい犬種はありますか?

トイ・プードルやマルチーズは鼻涙管が狭く、シー・ズーやパグなどの短頭種は涙の排出がうまくいきにくいため涙やけを起こしやすい犬種です。柴犬などアレルギー素因のある犬種も注意が必要です。

どんなときに動物病院へ行くべきですか?

黄色い膿のような目やにが出る、目をしばしばさせる・細める、白目が赤くなるといった症状があるときは、目の病気の可能性があるため動物病院を受診してください。