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パグの皺と目と呼吸。短頭種ならではのケア

🩺 獣医師監修 公開 2026/06/23 更新 2026/06/23 出典:短頭種気道症候群(おおた動物病院)

パグのケアは、皺・目・呼吸・暑さの4点を毎日見ることが基本です。この4つはどれも短頭種であるパグの体の作りに直結していて、放っておくと皮膚炎や呼吸の悪化、熱中症につながります。逆に言えば、毎日のちょっとした観察と手入れで多くのトラブルを早めに見つけられます。この記事では、パグと暮らすうえで外せないケアの勘どころを、動物病院などの情報をもとに整理します。

パグのケアで一番大切なことは何か

パグのケアで一番大切なのは、「毎日同じ場所を見る習慣」を作ることです。パグは顔のしわ、大きく前に出た目、短い鼻という個性を持っていて、その一つひとつがトラブルの起きやすい場所でもあります。特別な道具より、毎日の数分の観察が効きます。

しわの間の赤み、目やにや涙の量、呼吸の音、暑い日の様子。この4点を決まったタイミングで見るだけで、変化に気づきやすくなります。「いつもと違う」と感じたときに早く動けることが、パグの健康を守る最大のポイントです。

パグの顔のしわはどうケアすればいいのか

パグの顔のしわは毎日拭くのが基本です。しわとは、皮膚が深く折り重なってできたヒダのことで、内側は空気が通りにくく、皮脂や汚れ、湿気がたまりやすい構造になっています。イース動物病院の解説によると、しわの内側では皮膚の常在菌が過剰に繁殖して炎症を起こすことがあり、これは「間擦疹(かんさつしん)」と呼ばれます。

ケアの手順はシンプルです。やわらかい布やコットンでしわの奥の汚れをやさしく取り除き、拭いたあとは水分を残さないように乾かします。湿ったままにすると菌が増えやすくなるため、「拭く」と「乾かす」をセットにしてください。こすりすぎは皮膚を傷つけるので、力は入れません。

しわのケアを毎日続けても赤みやにおい、ベタつきが続くときは、自己判断でケア用品を増やす前に獣医師に相談してください。皮膚の悩み全般については犬の皮膚がかゆいときの原因と対処も参考になります。

パグに多い皮膚トラブルとは

パグに多い皮膚トラブルとは、しわの間や体に菌が増えて起こる炎症のことです。前述の間擦疹に加え、皮膚がベタついて赤くなるタイプの皮膚炎もパグでよく見られます。共通しているのは、湿気と汚れ、こすれが引き金になりやすいという点です。

動物病院では一般に、しわの間を清潔に保つこと、薬用シャンプーでの定期的なスキンケア、症状に応じた外用・内服といったケアが行われます。市販のシャンプーやケア用品を選ぶときは、肌に合うかどうかが犬ごとに違うため、繰り返す皮膚トラブルがあるなら獣医師に相談してから使うのが安全です。

短頭種は顔の作りが似ているため、皮膚や呼吸の悩みも共通点が多いです。同じ短頭種であるフレンチブルドッグのケアもあわせて読むと、共通の注意点が見えてきます。

なぜパグは目のトラブルが多いのか

パグの目のトラブルが多いのは、目が大きく前に突き出ていて、刺激を受けやすいからです。目が顔の表面に近い分、家具や床にぶつけたり、自分の毛やしわで刺激されたりしやすく、涙やけや炎症が起きやすくなります。顔をこする動作が多いと、その勢いで眼球まで刺激してしまうこともあります。

日々のケアでは、目やにをこまめにやさしく拭き取り、目の周りを清潔に保つことが基本です。床に落ちている細かいゴミや、目に入りやすい長さの毛にも気を配ります。顔を頻繁にこする、しわのかゆみが続くといった様子があるときは、目への影響も含めて獣医師に相談してください。

目を細める、まばたきが増える、白目が赤い、涙や目やにが急に増えるといった変化は、目の不調のサインとして知られています。目は悪化が早い部位なので、「いつもと違う」と感じたら早めに動物病院を受診するのが安心です。

短頭種気道症候群とは

短頭種気道症候群(BOAS)とは、パグやフレンチブルドッグ、ブルドッグなど顔が平らで頭蓋骨が短い犬種に起こりやすい、上部の気道が狭くなる病気のことです。おおた動物病院の解説によると、原因として鼻腔狭窄(鼻の穴が狭い)、軟口蓋過長症(のどの奥の軟口蓋が長い)、喉頭小嚢の外反、気管低形成(気管が細い)といった生まれつきの形が関係します。

これらが組み合わさると空気の通り道が狭くなり、努力して呼吸するようになります。一般に知られる症状は、いびきや喘鳴、運動を嫌がる、口を開けてハアハアする回数が多い、重い場合には失神やチアノーゼ(舌や歯ぐきが青紫になる)などです。

大切なのは、フガフガという音を「パグらしさ」として見過ごさないことです。音が以前より大きくなった、興奮するとすぐ苦しそうになる、といった変化は受診の目安になります。気になる呼吸の様子があるときは獣医師に相談してください。

どうすれば呼吸の負担を減らせるのか

呼吸の負担を減らす近道は、体重管理と環境づくりです。おおた動物病院や厚別中央通どうぶつ病院の解説では、肥満は気道のまわりの脂肪を増やして呼吸をさらに苦しくするとされています。適正体重を保つことは、パグの呼吸ケアの土台です。

環境面では、高温多湿や興奮が呼吸困難の引き金になるため、涼しい環境で過ごし、散歩は涼しい時間帯に短くすることがすすめられています。また、首輪は気道を圧迫しやすいため、首ではなく胸まわりで支えるハーネスを使うと負担を抑えられます。

食事の量やおやつの見直し、毎日の体重チェック、ハーネスへの切り替え。どれも今日から始められる工夫です。呼吸の状態が気になるパグは、これらを整えたうえで、必要に応じて獣医師と相談しながらケアの方針を決めてください。

パグの夏はどう乗り切ればいいのか

パグの夏は、室温と暑さ指数で「歩かない判断」をすることが基本です。短頭種は鼻が短く口の中が狭いため、唾液を気化させて熱を逃がす能力が低く、熱中症になりやすいとされています。呼吸で体温を下げにくい体の作りが、暑さに弱い理由です。

室内はエアコンで25度前後を目安に保ち、いつでも水を飲める環境を整えます。散歩は涼しい時間帯に短く。早朝でも地面が熱いことがあるため、手で触れて熱くないか確認してから出てください。外出前には環境省の熱中症予防情報サイトで暑さ指数(WBGT)を確認し、28度を超える日は無理に歩かせない判断が安全です。

対策は真夏になってからでは遅く、暑さに体が慣れていない初夏から始めるのが効果的です。ハアハアが止まらない、ぐったりする、よだれが多いといった様子は熱中症のサインとして知られています。すぐに涼しい場所へ移し、体を冷やしながら獣医師に相談してください。

パグの病気に備えてお金の準備は必要か

パグは短頭種ならではのケアや受診の機会が多くなりやすいため、医療費の備えを考えておくと安心です。皮膚や目、呼吸のトラブルは慢性的になりやすく、長く付き合うケースもあります。突然の体調変化で受診をためらわずに済むよう、費用面の準備は早いうちから検討する価値があります。

備えの選択肢のひとつがペット保険です。短頭種気道症候群のように生まれつきの体質が関わる病気は加入前の告知や条件に関わることもあるため、補償内容を早めに比べておくのがおすすめです。お金の不安が小さいほど、必要なときに迷わず動物病院へ行けます。

この記事のまとめ

  • パグのケアは、皺・目・呼吸・暑さの4点を毎日見る習慣づくりが基本になる。
  • 顔のしわは毎日「拭く・乾かす」をセットにし、赤みやにおいが続くときは獣医師に相談する。
  • 大きく前に出た目は刺激を受けやすいため、目やにを拭き、変化が出たら早めに受診する。
  • いびきや喘鳴は短頭種気道症候群のサインとして知られ、体重管理・涼しい環境・ハーネスで負担を減らす。
  • 夏は室温25度前後を保ち、環境省の暑さ指数(WBGT)28度超の日は無理に歩かせない。

よくある質問

パグの顔のしわはどのくらいの頻度で掃除すればいいですか。

パグの顔のしわは毎日拭くのが基本です。しわの内側は皮脂や汚れがたまり湿気がこもりやすく、菌が増えて炎症の原因になります。やわらかい布やコットンで汚れを取り、拭いたあとは水分を残さず乾かしてください。気になる赤みやにおいがあるときは獣医師に相談してください。

パグがいつもフガフガ・グーグー鳴くのは病気ですか。

鼻を鳴らす音やいびきは短頭種気道症候群のサインとして一般に知られています。鼻の穴が狭い、軟口蓋が長いといった生まれつきの形が関係します。音が大きくなる、運動を嫌がる、舌が青紫になるなどの変化があるときは早めに獣医師に相談してください。

パグは夏の散歩をどうすればいいですか。

夏は涼しい時間帯に短く歩くのが基本です。早朝でも地面が熱いことがあるため、手で触れて確認してから出てください。外出前に環境省の暑さ指数(WBGT)を確認し、28度を超える日は無理に歩かせないでください。室内はエアコンで25度前後を目安に保ちます。